うつ病患者の自殺願望とうまく付き合う方法

身近な人がうつ病で、その人が自殺願望を抱いていたらどう対応すればいいのか?
「あなたの大切な人が『うつ』になったら」という本に良いことが書かれていたので紹介します。
自殺だけは絶対にさせてはいけない
うつ病はつらい病気である。しかし、抑うつ感や不安感に襲われ続けていても、生きていればまだいい。うつ病が恐ろしいのは、自殺願望を伴うところなのである。
うつになるきっかけはストレスだったり親しい人の死 による喪失感だったりするが、いずれにしても「うつ 病」になると多くの人が「死んでしまいたい」と思う。
理由など、どうでもいいのだ。とにかく、わけもなくむなしく、わけもなく死にたくなる。
私自身、何度もそういう気持ちになった。軽症うつ状態が続いている今でも、何か強いストレスがかかったりすると症状が重くなり、「このまま病気になって死ねないものだろうか」と考えてしまうことがある。いわば、緩慢な自殺願望である。
自殺のサインを見逃してはならない
「これから私は死にます」
などと宣言して、みんなの前で自殺する人は、まずいない。周囲が自殺のサインを見逃さないことが、何よりも重要になる。
自殺する人は、その前に何らかのサインを出している ことが多いという。たとえば、急にあなたを頼るように なったり、心細げになったり、生活リズムがそれまでにも増してメチャメチャになったり、それらしきメモを残したり・・というように。
もし、「危ないかもしれない」と思ったら、注意して そばについてあげてほしい。
そして、すぐに主治医に連絡したほうがいい。診察時間外でも気にすることはない。取り越し苦労になるかもしれないが、最悪の結果を招くよりはずっといい。 場合によっては、精神科のある大きな病院の救急外来 に飛び込んでもいい。嫌味や苦情を言われるかもしれないが、死なれるよりはましだ。
あなたは、主治医の連絡先を必ず覚えておいてほし い。できれば自宅の電話番号も聞いておいたほうがいいかもしれない。自殺が心配で目が離せなくなったら、あなたの手には負えない。入院の手続きを含めて、医師への連絡をすみやかに行なおう。
これは本当にその通りだと思います。
自殺してしまったら。死んでしまったら取り返しのつかないことです。
死こそ回避できても、自殺未遂で重大な後遺症が残る可能性だってあります。
自殺のサインを見逃さないと言うのは難しいことですが、それでも大切な人を失わないためにはやらなければなりません。
「死にたい」と言ったら、とにかく話を聞いてあげよう
もし、彼(彼女)が、「死にたい」と言ったり、パニックに陥ったり、自傷行為を繰り返すようになった ら、決して非難してはいけない。たしかに自殺は、周囲の迷惑を考えない行為ではあるが、本人はそんなこともわかった上で、死にたいと思っている。
それは、逃げているからでも弱いからでもない。 うつ病という病魔に冒されているのである。
「私はあなたを大切に思っている。あなたが死んだら、 私はつらくて悲しい。あなたを失うことだけは、絶対にイヤだ」 強い口調ではなく、静かにゆっくりと、そのことを告 げてほしい。そして、相手が納得するまで話を聞いてあ げてほしい。コメントを言う必要はない。聞くだけでいいのだ。
そして相手の気持ちが落ち着いたら、
「決して自殺だけはしないでほしい」
と、はっきり伝えよう。彼(彼女)があなたのことを大切に思っているのであれば、それだけで自殺のブレーキになるはずである。
「決して自殺しないでほしい」
この言葉を相手の気持ちが落ち着いてから言うのがポイントですね。
どんより落ち込んでる最中に言われても、「責められている」「否定されている」と思ってしまうリスクがあります。
落ち着いているときにハッキリと伝えるからこそ効果がある言葉です。
私は結婚して4年足らずだが、その間に2度ほど重いう つになったことがある。そのとき妻は私に、「自殺はしないと約束してほしい」と言った。
つらいとは思うが、妻はうつである私をサポートしてくれている。そんな妻を遺して死ぬわけにはいかない ーそれが私の生きる支えにもなっている。
愛する人がいることはとても素晴らしいことです。
時に頼り、いい意味で甘えながら支え合って生きていくことが大切なんですね。